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5/13(日)声を出すこととアレクサンダー・テクニーク

若いころから長いこと私は、緊張して声が出ない、
ということが、常でした。
学校でも職場でも、「声が小さくて聞こえない」ことをよく指摘され、
なんとか頑張って声を出そうとしていたけれど、
そうすると、ますます声は出なくなってしまったのです。

アレクサンダー・テクニークに出会って、
力の入れすぎを手放して、そのかわりに意図をクリアにすることを学んできて、声を出すのが楽になりました。

「声を出さなきゃ」ということに関する余分な緊張から解放されて、
人前に立つということに対する緊張に対処することもできるようになってきました。

そして、好きな歌を人前でも気持ちよく歌えるようになり、
去年は、小さいカフェではじめての弾き語りライブもやったのでした。
20代のころの自分には想像できなかったことです。
しかも、歌う前とか、歌った後も、とくに落ち込んだりすることもせず、聴きに来てくれた方と、その場の時間を楽しむことができました。それも昔には考えられなかったことで。

なんだか安らぐ声、だとか、味わいがある、とか言ってもらえて。


このワークショップでは、

・からだのなかから外に声となって出るまでの、空気の通り道をひらくこと~響きを生かすこと
・空気が入ってくることを、じゃましないこと
・首が自由なことと、あごが自由なこと、そして頭蓋骨
・少ない力でも声を届かせられることを体験する
・骨盤と首の自由さとの関係
・地面のサポートを受け取ること~グラウンディングと、同時に上へと解放されていくこと

というような、からだのことからはじめ、

・その人なりの、声を出すこと、歌うこと、話すことの意図を大切にすること

につなげ、ほかの誰でもない、その人ならではの、歌や、話すこと、声を出すことに、つなげてみたいと思います。

歌いたい方は歌を、話したいことは話を持ってきてください。
また、「特定の状況で話すときに困っている」というようなご相談も歓迎です。
日常会話や雑談などに生かしたい、というのも、もちろん歓迎!
とくにやりたいことが思いついていない方も、聴き手になりたい、という方も、
このテーマに興味がある方は、どなたも歓迎です。

前回のワークショップの報告はこちら

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2018年5月13日(日)
10:00~12:30
場 所:東京都文京区
………お申し込みの後、ご案内をお送りします。
参加費 5500円
定員 8名
講 師:石井ゆり子
お申し込み、お問い合わせ:一番下にあるフォームにご記入ください。
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【講師について:石井ゆりこ】

photo by Xie Okajima


自信のない大学生だったときにアレクサンダー・テクニークに出会い、自分のために6年ほど学んだ後、4年間のトレーニングを受け、卒業後、18年間、2000人以上の方々に教えてきました。
このワークのシンプルさと奥深さ、何にでも応用できる柔軟さに魅せられています。
国立音楽大学非常勤講師。
著書『無駄な力がぬけてラクになる介護術』『演奏者のための はじめてのアレクサンダー・テクニーク』

■石井ゆりこのアレクサンダー・テクニークのレッスンは東京都文京区と、神奈川の湘南で、随時、受け付けています。レッスンのスケジュールはこちらをご覧ください。

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報告:声を出すこととアレクサンダー・テクニーク講座

きのうは、声を出すこととアレクサンダー・テクニークのワークショップでした。

9名の方がいらしてくださいました。歌を歌う方や、話すときの声について興味がある方などです。

歌は、いろんなジャンルの歌を歌っている方々が集まりました。

声楽、合唱、ミュージカル、ポピュラーの弾き語り、、
声の出し方はさまざまです。
発声について、あえて意識しない歌い方もありますね。
どれもそれぞれ、よさがある。
でもここでは、専門的に学ばれている方も、そうでない方も、声楽やボイストレーニング以前のところ、
自分の体全体を邪魔しないで声を出す、ということを、
ゆっくり動くことや、私が触れることや、ふだんと意識のしかたをちょっと変えることをとおして、見つけていきました。

そして、ひとりひとりが持ってこられた歌を歌い、本を読んでいただきました。
2時間半で9人、全員、歌ったり人前で話したりしていただけるかな、
本当は一日かけてやる内容だったかも?と、ちょっと心配したのですが、ちょうど時間内に全員やっていただけました。

「グループワークは、ほかの参加者が目の前でみるみる変わっていくのを見られるのでとても楽しい。
朗読の彼女も、歌のあの子もグンと良くなって、いつもながらびっくり。先生のサポートがまた的確なんだなぁ」
。とは、参加者のYさんの弁。

変化を実感していただけて、よかったです。
ご本人が歌ったり声を出したりしているときも、聴き手になっているときも、みなさん気づくこと発見することがそれぞれあったようです。

とにかく、人それぞれの存在感があらわれる声を聴けるのは、よいものです。

参加者Mさんは、

「普段、細部ばかり意識してしまって(歌なら喉とか、歩く時は足とか、作業する時は手とか…)全体性を忘れがちでした。体の繋がりを思い出して、体がニュートラルな状態で、どう動くのか、全体性を意識しようと思いました」とのこと

私が大事だと思っているところを、とらえてくださり嬉しいです。全体性を意識することで、変わるところがたくさんあるのですね。

Mさんは、体がゆるんで、帰って夕方から翌朝まで爆睡されたそうです。(ほかの方からも、似たような報告をいただきました)。

緊張したり、ゆるんだりすることを繰り返しながら、きっと人は生きているのでしょうね。

ときには、なかなかゆるまないこともあるかもしれない。
でも、緊張していても、そこからゆるむことができることを知るきっかけがあれば、
だんだん、ゆるむきっかけを、自分でつかめるようになってくる。
それは体のどこかに気づきを向けることかもしれないし、また別のことかもしれない。その人、そのときによって…。

そうして緊張とゆるむことの波乗りをしやすくなっていくのだと思います。

そうなると、舞台や、人前で緊張することも、あまり怖くなくなってきます。

別の参加者の方は、歌い始めようとしたときにすごく緊張していたけれど、歌い始めたら気持ちよくなってしまったと。
それは慣れないことだったようで、その人はそこでいったん止めてしまったのですが、
もう一度、気持よく歌うことにOKを出してもらって歌っていただきました。
とてもすてきな歌でした。

ボイストレーニングを受けようかなと思っている方には、その前に、あるいはボイストレーニングと並行して、よかったらアレクサンダー・テクニークで、自分全体で声を出すということをまず学んでみることをお勧めしたいなと思います。

次回の声とアレクサンダー・テクニークのワークショップは
東京は5/13(日)に、
そして兵庫県西宮市で5/18(金)に行います
また個人レッスンでも同じテーマで行うことができます。

アレクサンダー・テクニークlittlesoundsでは、東京と神奈川で週3日づつ個人レッスンを行っています。
レッスン・スケジュールとお申し込みはこちらです。
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呼吸と発声

みなさんこんにちは
ずっと書こうと思っていた、レッスンでもよく出てくる呼吸と発声のことを、書いてみました。

歌う人にとっての声と、管楽器奏者にとっての呼吸は、どちらも、音楽をつくる媒体としてとても大事なものですね。また直接的に声や呼吸のことを、ふだん意識しない人も、もちろん、常に呼吸はしています。

呼吸は、動きです。呼吸の動きをおおまかに理解しておくことは、体を固めることを抑制したり、手足の動きをより自由にするために、また、精神的な緊張をほどくために、そして、音楽のリズムを体現するために役に立つでしょう。

空気を声にしたり、楽器へと送りこむとき、その空気はあなたの体のなかからどういうふうに外に出ていくか、まずはそこから見ていきたいと思います。

まず、肺の中にある空気を声にしたり、楽器に吹き込みたいとき、そのときの空気が通っていく道筋と、体の動きを見ていきましょう。歌う人の例でみていきますが、管楽器を吹くときも、話すときも同じ流れです。

声を出すとき、息を吐くときの、体の動きと呼吸の動き

まず、今、肺に空気があるとして、吐くほうから見ていきましょう。
肺は、とても大きなものです。フレキシブルな鳥かごのような肋骨に守られて、胸骨のすぐ裏から背中の後ろまでの奥行があり、高さも、上は鎖骨のあたりから、肋骨の一番下あたりまであります。肺は袋のようなもので、それ自体には動ける筋肉はありません。

声を出そうとすると、肺の下全体にある横隔膜やそのほかの筋肉(腹筋や背筋や、さらに下の、骨盤底の筋肉まで)が動いて、肺の空気が上に向かって送り出されます。送りだされた空気が気道を通って、声帯を振動させながら、首の内側にある気道を抜けて、口腔に届き、そこから前方に、外の世界に出ていきます。

息を吐こうとする動きは、体の中では、まずは上向きの流れです。
上向きにどこまで行くのでしょうか?唇まででしょうか? 実は、空気は唇よりさらに上まで届きます。声を出すために開いた口よりさらに上まで、鼻の奥あたりまで空気が届いてから、外に出ていきます。口の中、口腔は、鼻の奥ぐらいの高さ、奥行きは耳のすぐ前あたりまであります。口腔の大きさを思ってみましょう。
002ささやくアーのときの胴体の絵の唇半開き

体の外に出た声は、あなたが意図すれば、部屋の一番後ろまで届けることもできるし、屋外なら、さらに遠くまで届けることもできます。
まずは、肺~気道~口腔~体の外 という空気の流れ全体として、声を出すことをとらえ、出ていく空気の通り道を邪魔しないことを思うと、それだけで声が自然に出しやすくなります。

息は自然に入ってくる

今、吐くほうから見ていきました。しかし、吸うことのほうが気になっている人も多いかもしれません。実は、息が続かないと悩んでいる人には、吸えていないというより、吐けていないというケースが多いのです。吐く息の流れをどこかで抑えてしまって、吐ききれていないので、吸うほうもうまく吸えなくなっているということが多いのです。まずは、スムーズに吐くことを意識してみましょう。

息を吐いて、それをやめると、肺を収縮させていた筋肉群が、瞬時にふっとゆるんで収縮から戻ります。すると、胸郭の中が広くなり、肺に空気が自然に入ってきます。息を吸う動きは、筋肉がゆるむ動きなので、がんばって吸おうとしすぎないほうが、スムーズに入ってくるのです。

歌う人、声を出すと、発声トレーニング

歌を歌っている人のなかで、発声、ボイストレーニングを受けてきた人と、トレーニングを受けずに歌っている人がいるでしょう。
トレーニングを受けない人は、受けない理由として、声の個性を失いたくないということを挙げる人がいます。自分が出したい声を楽に出せているなら問題ありません。そうでなくて、今ひとつ思うような声が出ないという人や、喉を痛めがちな人は、上にあげたような発声のしくみと流れを認識して、その自然の動きを邪魔せず声を出すことを意識すると、助けになると思います。大きい声や高い声を、喉だけで出そうとしていると、喉を酷使して痛める原因になることがあるからです。また、声がすぐに枯れたり、声が伸びない、声のボリュームが出ない、というような悩みがある場合も、体全体の自然の動きを邪魔せず声を出すことで、解決することが多いと思います。

発声トレーニングを受けてきた人で、それでも発声がうまくいかないという人は、その体の意識が部分的になってしまっているケースが多いです。
また、コントロールしようとしすぎると、自然に動く動きをかえって止めてしまうことがあるので気をつけましょう。それでかえって体を固めながら声を出す癖がついてしまう人がいます。そうすると出る声が苦しそうな声になってしまい、実際、本人も苦しくなってしまいます。そして、声の質や音程をふくめ、かえってコントロールできなくなってしまうのです。
空気が声になって共鳴して響くまでを、体の中を上向きに行く流れとしてとらえてみましょう。そうすると、体のそれぞれのつながりが取り戻ります。

「腹式呼吸」の落とし穴

「腹式呼吸」をしようとして、腹筋の一部だけを動かそうとして、かえって腹筋を固めて使ってしまい、自由な動きが起こりにくくなってしまっていることがあります。
腹筋を使っていることと、腹筋を固めていることは、違います。腹筋は、固めないほうが、使うことができます。お腹の動きは、直接動かそうとして動くのではなく、体全体の動きの結果として動きます。
息を吐こうと思うと(声を出そうと思うと)、体のシステムがそれに反応して、腹筋を含めそのまわりのたくさんの筋肉が総動員されて、肺の空気を上に向かって送り出してくれます。


出したい声、出したい音を出すために(音程、音量、音の長さ、音の質)

まず、どういう音程で、どういうリズムで、どれくらいのボリュームで、どこに届く、どういう声を出したいかの意図が明確であれば、それに体のシステムが反応してくれます。
ですから、

1.出したい音のイメージ/意図を明確にすること
2.体のシステムのはたらきを邪魔しないこと

が、まず大切です。直接あなたが体をコントロールして声を音を出すというより、あなたがするべきことは、明確な意図をもつことで、あとは体にまかせることが大切です。
その点を意識するだけで、出したい声、出したい音が出せるようになったという人は、とても多いです。息がもっと続くようになったり、声がもっと大きく出るようになったり、声の質がよくなった、という人がたくさんいます。
今までに見てきたことが、そのためのヒントになればうれしいです。

もうひとつ必要なのは、体全体の自由さです。
歌うとき、楽器を吹くときに、お腹のことは意識していても、背中や骨盤、お尻、胴体の側面などは意識に含めていない人が多いです。胴体全体を、背面も下も含めて立体的なものとして認識して、胴体は、下は骨盤の底まであると考えましょう。骨盤の底の筋肉も、息を吐く動きに参加して一緒に動きます。ふだんから、骨盤の底までを一つの胴体として使う習慣をつけると、声のボリューム、音の大きさが出しやすくなり、コントロールしやすくなります。

・背中や、骨盤の底までを含めた胴体全体を縮めないで使っていること
・股関節が自由なこと(股関節の自由さと、胴体の自由さは関連しあっています)。
・腕が自由で肋骨の動きを邪魔していないこと

を、歌うときや、楽器を演奏するとき、そして、ふだんの生活のなかでも意識してみるとよいです。

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