「演奏者のためのアレクサンダー・テクニーク」カテゴリーアーカイブ

アレクサンダー・テクニークを使った音楽大学での授業

今は夏休み中ですが、国立音楽大学で「音楽家のための心身論」という授業をやるようになって3年目になりました。
前期と後期、週1回、それぞれ計14回の授業をやっています。
「心身論」と言っても言葉で理論をしゃべるのが中心ではなく、少人数で参加型、実践中心に行っています。実践をとおして、心身に関する考え方を身につけてもらえたらと思っています。

定員20名で、学部全体の各専攻からの3、4年生の希望者から抽選された学生が対象。ピアノ、声楽、弦楽器(ヴァイオリンなど)、打楽器(ドラム、ティンパニなど)、管楽器(トランペット、フルート、トロンボーンなど)などを演奏される方々です。

椅子を円座に並べて、一方的に講師のほうを向くのではなく、
お互いの顔が見える形でまず座ってもらって授業ははじまります。
そして、講師の私が問題提起したり、簡単な動きをやってもらったりして、まずは自分の体に対して意識を持ってもらう、というところからはじめました。

illustrated by Pantaya

「心身」のことを考えるときに、まず自分の体への意識を持ってもらうことが必要だと思うので。

それから、それが自分の演奏にどうかかわってくるのかを、実際に授業のなかで演奏してもらったりしながら考察します。
さらに、本番の演奏会やコンクールなどのことを振り返って考えてもらったり、ふだんの練習の仕方を振り返ってもらったりします。

授業と授業のあいだの一週間、ふだんの練習や本番や、日常生活のなかで、授業でやったことを思い出してみてください、と伝え、次からは、授業の最初に一人ひとり、気づいたことを聞いてみるようにしました。そのときのみなさんの発言をもとに、その日の授業の内容を変えていったりしました。

でもそれだけではなく、学生が一人ひとりグループのなかで、自分が体や心と演奏の関係について気づいたことを話して、それを聞き合うということ自体が、学生のみなさんにとって意味があったようでした。
あらためてそういう時間を持つことで、ほかの人も同じ悩みを持つことがわかったり、違う楽器を演奏する人でも似たような悩みを持っていると知るのは、意味があることだと思います。専攻が違うと、個人的なことを話し合う機会が意外と少ないということもあると思います。

「悩み」というのは、早く解決すべきものというふうにとらえられがちで、それはそのとおりなのですが、だからといって「悩み」はネガティブなだけのものでもないと私は思うのです。

実践して、実践をとおしての気づきがあるからこそ「悩み」が生まれるわけで、「悩み」を自覚できるからこそ上達し、成長する可能性が見えてくるのです。この授業が、そういう意味で「悩み」に時間を取って向き合う時間になればと私は思っています。

音楽大学には、よりよい演奏ができるようになるために、各楽器の専門家の先生による個人レッスンや合奏のレッスンをはじめとして、多くの専門的なレッスンやクラスがありますが、演奏以前の心身のことを扱うクラスは、今までになかったようで、学生にとって新鮮なようです。

あとから聞いたのですが、一年生の頃からこの授業の噂を聞いて受けてみたいと思っていたという学生が、「最初は正直とまどった。何をしているのか分からなかったし、自分がやっていることは合っているのかという迷いもあった」と言っていました。ほかにも、最初、授業に対して戸惑いがあった学生がいたようです。

その学生は授業が進むうちに、「自分の体は自分のものであるということに気づいた」「自分の体なのに、こんなにも自分の体のことを分かっていなかったということに驚いた」「今まで当たり前だと思っていたことを再認識することができ、何をするべきかというのが明確になった」と思うようになったといいます。

私の授業では、姿勢に関しても、歌うときや、演奏するとき、体のどこを使えばいいのかということについても、一つの答えを提示することはありません。
情報提供として、体がどのようなデザインになっているかという話を、図解や、骨格模型を見せたりしながらすることはあります。私が体に手で触れることによって気づきを増やすサポートをする時間もあります。また、演奏をしてもらって、「このことを意識に含めてみたらどうでしょう?」と、提案することもあります。でも、それらはすべて、あくまで提案であって、最終的にどうしたらいいのか、ということについて、私が答えを言うことはありません。

大事なのは学生一人一人が自分で気づくようになることだと思っています。一人ひとりの癖や傾向は、一人ひとり違いますし、その人の状況も、やろうとしていることも、一人ひとり違います。今日のその人と、一週間後、一か月後、一年後のその人も違います。
学生さんが今後、演奏活動を続けて行ったり、社会に出て行ったりして、いろいろな刺激に向き合っていくときに、自分で気づいて、改善策を見つけていけるための基礎に、この授業が役立っていればいいなと思います。

それは学生さんだけでなく、ふだんのアレクサンダー・テクニークのレッスンでも同じように考えています。なので、「こういう場合は、こうしたらいい」ということは、なるべく言いたくないのです。(実践しやすくするために、それに近いことを言う場合もありますが、あくまで実践のための材料で、ヒントだと思ってもらえたらと思

illustrated by Pantaya

います。)

 

この大学での授業は毎週、14週続きであるので、学生にとって毎週、気づきをもって実践してみる機会になって、そうすると学生さんたちの変化や成長が、私からも見ても目覚ましく、本人たちもまたそれを実感しているようです。

変化や成長の中身は人それぞれ、腰痛や肩こりが起こりにくくなったという身体面での変化を感じた人もいれば、出したい音を出すときの体の使い方がわかってきた人、本番で緊張に対処できるようになった人、それぞれです。ほかの受講者のことも「最初に比べて自分を出すことができているようになって、雰囲気が明るくなったなあと感じる」という意見も出て、そうやってお互いに学び合う場になっていることが、何よりよかったです。

以上、アレクサンダー・テクニークをもとにした音大での「音楽家のための心身論」の授業についてでした。長くなってしまったので、さらに授業の具体的な中身についてはまた後日書きたいと思います。

註:本文のイラストは、大学の授業のテキストにもなった、著書『演奏者のためのはじめてのアレクサンダー・テクニーク』のために、Pantayaさんが描いてくださったイラストを転載させていただきました。

アレクサンダー・テクニークlittlesoundsでは、東京と神奈川で週3日づつ個人レッスンを行っています。

音大生や音大受験生、プロやアマチュアの音楽家(クラシック、ジャズ、ポピュラー、民族音楽etc)、音楽の愛好家の方々、そして音楽とは無縁の方で自分ともっと楽につきあいたい方、痛みを軽減させたいという方、など、さまざまな方がいらしています。

レッスン・スケジュールとお申し込みはこちらです。お問い合わせもお気軽にどうぞ。

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人の顔が見られなくてもいい(続:人前に立つときの緊張や、あがりについて)

きのうの投稿(「オーディエンスをお誘いする」って?)にも関連して…
人前で話したり、パフォーマンスをしたりするとき
「人の顔が見られない」と言う人は少なくないですね。

私もそうでした。
で、「人の顔が見られない」「でも見なくちゃ」
と思うと、「ああ、でも見られない」「でも見なくちゃ…」と、ループにはまってしまうのです。
ループしているうちにますます顔が赤くなってきたりして…。

実はあるときから私は
「人の顔を見なくてもいい」と決めたのです。

見ようとすることで圧倒されてしまうなら、べつに見なくていいと。

ただ、人が居ることには気づいていようと。
(というか、忘れたくても忘れないんですが…)

実は、見ようとすることも大変だけど、見ないようにすることも大変なのです。
圧倒されたくないからといって、人を視線に入らないようにするのは、後ろを向くか、目をつぶる以外にはむずかしい。

(でも実は昔、R.E.Mというロックバンドのコンサートに行ったとき、最後の曲でシンガーのマイケル・スタイプが後ろを向いて観客に背を向けて歌ってくれたことがあり、その歌はすばらしかったです。後ろを向いて歌っているのに会場全員に歌が届けられていました。全員を含んだところに、歌があった)。

でも普通の場合は前を向いて歌うので、それなら視野に人が入ってきます。
視野に入ってくるものを、視野に入れないようにするとなると、不可能なことを努力をしなくてはなりません。
(だけど実際、不可能なことを努力してしまっているときってありますよね)。

それで、そのかわりに私がどうしたかと言うと、
「景色の一部として、人を含める」というふうに見るようにしてみました。
「この部屋全体の景色のなかに、みんながいて、自分もいる」と。
それは、私にとって、自分が居やすくなる思い方でした。

上に書いたR.E.Mのマイケルの歌を聴いたときや、ほかのロックバンドや、歌手の歌を聴いて、心に残っているときに自分が感じていたのも、「部屋全体に景色があって、そこに含まれている」という感覚だったのです。

あるときは、森のような景色が部屋のなかに浮かぶかのように感じることもありました。

だったら歌う側のときも、同じようにすればよいんだと。

それが、私にとっては、しっくりきたのでした。

この話がアレクサンダー・テクニークにどうつながるかというと、
アレクサンダー・テクニークは、
「刺激に対しての自分の反応の可能性を探る」ワーク
だともいわれるのです。

自分がどんなふうに刺激に反応しているかを見てみて、
そこに別の可能性がないか見てみる。

言葉やメンタルだけの話ではなく、
自分の体がどう反応しているか、そしてどういう反応可能性があるか、
体とメンタルのつながりのところから見ていくことをしています。

それは自分の体の意識や感覚を育てていくこととも関連していて、
体の意識が育っていくにつれて、いろいろな可能性にもひらいていけるようになっていきます。

なのでレッスンでは、触れることや、動くことなども使って、自分の体と、意識と、総合的に気づくこと、可能性を探究することをやっていきます。

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「オーディエンスをお誘いする」って?(人前に立つときの緊張や、あがりについて)

教師になる前私は、人前で歌ったり演奏したりすることについて、アレクサンダー・テクニークのレッスンでよく見てもらっていたのですが、
歌をとおしたアレクサンダー・テクニークのレッスンのなかで、

人前に立ったとき「オーディエンスをお誘いするようにしましょう」
と、いつも言われる先生がいました。

私はそれがずっと、よくわからなかったのです。

でも、きのう、音大のクラスで教えていたとき、学生とやりとりしながら、あ、そうか、と、腑に落ちたことがありました。
その学生も、人前で歌うときに緊張してしまうことに悩んでいて、
「人の視線が刺さるようです」なんて表現されていました。

それで、

部屋にいる人たちを見るとき、
目で見ているのではなくて、頭の後ろで見ていることを思い出してみましょう?
頭の後ろ(=視覚野)にただ情報が入ってきている、
それに対して、ただ受け取るだけで、何もしなくてよいのです…

私は、そんなことを学生さんに言うのと同時に、

同時に、これから歌おうとしている歌の世界も、あなたは見ている。
情景とか、歌にこめたい想いとか、そういうものを見ている。

それも、視覚野でやっていること。

その二つの世界(今この部屋にある現実の世界と、歌の世界)が、重なりあったとき、
あなたはこの部屋にいるオーディエンスを歌の世界にお誘いしているんだと思う。

それが起こっていたら、そのときは、緊張はもうないかも?

と。
自分でもはじめて言うことを言っていました。
それで、言ってから、「ああそうか」と、腑に落ちたのでした。

言いながら、自分の視覚野を思いつつ、生徒さんの頭に手を触れて…。

(前から感じていることだけれど、
「視覚野を思う」のは、
体の奥行きを思い出す助けになり、
刺激が前方にあるときでも後ろを思い出す助けにもなり、
いろいろに役立ちます)。

いろいろな先生方のアレクサンダー・テクニークのレッスンで学んだことと、アイボディのレッスンで学んだことが、自分のなかで、自分なりに、少しづつ一つになって腑に落ちてきているようです。

 

ふたこぶ食堂でのライブ photo by Xie Okajima

しかしほんとに、アレクサンダー・テクニークといっても、教える人によって違います。
私は、私が納得できるようにしか教えることはできません。
でもだからこそ、ほかの先生方の存在意義があるのと同じように、私の存在意義もあるのかもしれませんね。

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楽器の音が変わる/楽器の重さが変わる(ワークショップ報告)

きのうは「手を使うことと体全体」をテーマにアレクサンダー・テクニーク講座を行いました。

楽器を演奏する方が何人かいらっしゃいました(ビオラ、ギター、太鼓)。

「『アレクサンダーテクニークやると音が変わる』って聞きますけど、そんなことがあるんですか?」

と、初心者の生徒さんに聞かれたので、
そういうことも、よくありますよ、と言いつつ、
あとは実際にやってみて、みなさんに判断してもらうということに。

講座では、基本的なことをみなさんでやった後、後半、それぞれの方が気になっていることや、今とりくんでいることをやる時間。

ビオラとギター演奏も、順番にしていただきました。
まず一回弾いていただいて、
気づきが薄いところの気づきをうながしたり、動きを止めているところの動きを思い出したりするために、軽く触れてサポートしたりした後、
もう一回弾いていただきます。

ご本人たち、より楽しそうに、より楽そうになって、
聞いてる方も、「ぼんとに、音が変わりますねえ!」と。

体全体、自分全体を使えるようになると、音、変わりますね。

(註:変化は、その人、状況によって違うので、いつも違いが聴いて明確にわかるとは限りません。わからないくらいの違いであったとしても、それがのちに意味を持ってくるというケースもあります。)

太鼓の方は太鼓を持っていらしてなくて、エアー太鼓を叩いていただきましたが、まるで音が聞こえてくるようでした。

それから、楽器奏者でひそかに悩んでいる方が多い、
「楽器をケースにいれて肩にかけて運ぶ」ことをやりました。
「本当に重いんですよ~。持ってみてください」なんて言いながら…。

ワークしたあと、
「帰りが憂鬱だったのが、帰れそうです」
と、笑顔になってらっしゃいました。

実際にそれなりの重さがあっても、自分を固めたり身構えたりすることが少なくなると、不思議と思われるかもしれませんが、重さの感覚も変わるものです。

ほかにも、力の使い方、合気道とアレクサンダー・テクニークとの共通点、人前で話すときの緊張について、など、いろいろな課題や、話題が出てきて、お互いに楽しく学びを深める時間になりました。

次回のワークショップは5/13(日)声とアレクサンダー・テクニーク5/12(土)町田でのアレクサンダー・テクニークです。

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合格おめでとう!(腱鞘炎をのりこえて)

作曲の勉強をしている内田拓海君、高校2年生のときからレッスンにいらしてくださっていましたが、この春、晴れて東京芸術大学に合格。とても嬉しそうです。

最初にいらしたときは、手の腱鞘炎に悩まされていて、ピアノの演奏や、楽譜を書くことが、短時間しかできなかったのです。

レッスンでは最初は、直接手のことではなく、胴体のことからはじめました。特に骨盤や股関節のことを重点的にみていきました。そのうち腱鞘炎の症状がなくなっていき、8時間の長丁場の、芸大の入学試験も集中して臨むことができたそうです。

これからはじまる大学生活で、ますます充実した作曲や音楽の活動を続けていただきたいです。

ご本人が、ぜひ、同じ悩みの人に伝えてほしいと言ってくださったので、ご本人の写真付きで載せさせていただきます。ありがとう。

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「人前に立つときに楽さを見つける」ワークショップのご感想(ビオラ奏者の方より)

先日開催したデビ・アダムス「人前に立つときに楽さを見つける」ワークショップでは、アレクサンダー・テクニークの原理を人前でのパフォーマンスに応用することをテーマに、デビさんとみなさんで一日探究を深めました。

参加者のおひとり、市民オーケストラのビオラ奏者でいらっしゃる生徒さんから、ご感想をさっそくいただきましたので、ご本人の許可を得てシェアさせていただきます。(ありがとうございます。)

ゆりこ先生おはようございます。

先日はデビ先生のワークショップを、どうもありがとうございました。

デビ先生のワークショップで、観客の立場で皆さんのパフォーマンスを聞いていると、サポートを思い出して朗読や演奏をされた時は、より気持ちを動かされました。

聞いているだけで、その方に直接触れていないのに、パフォーマンスされる方とのつながりを感じるのが不思議でした。
みんなで輪になって、膝を緩めたり、固めたりしたワークが、人の距離が離れても起こるのを体験したかもしれないです。

自分が演奏する側になったときは、お客さんはかろうじて視界に入っていましたが、そちらを見ようとか、届けようとまでは意識できませんでした。

今回は逃げたい気持ちではなく、とにかく楽器と楽譜と緊張と一緒にあの場にいたこと、腕の震えを止めようとせずに震えるままにしたこと、が新しかったです。

腕の事は、胴体を少し前へと思うと、少し動きやすくなりました。ゆりこ先生にもよく教えていただいていたのですが、
本番になると、まだ少し後ろにいってしまうんだなと思いました。

腕が震えだすことがレッドゾーンだったというのは、発見でした。

ワークショップの翌日から日曜まで、「曲を区切って演奏を止めて足と床のことを思い出す」練習をしました。

区切りはシフトの前や、フレーズの切れ目などに設定してみました。

やってみると、2小節ごとでも、弾いているうちに、股関節を固めたり、脇を固めたり、体が反ったり、色々していました。

日曜のサロンコンサート本番では、驚きました。

会場はお客さんがすぐ近くにいて、曲の一つは、バッハのG線上のアリアで、静かで繊細で美しく、今までだと最も弓が震える状況です。

今回は弓が震えることなく、練習で区切ったところで、足のことを自然に思い出して、落ち着き直す感じで曲が進みました。

私にしてみると、こんなことが起きるとは本当に思っていなくて、ただ、驚いています。

この練習をしていて、ゆりこ先生に習い始めた頃に教わった、首が痛くなる度に楽器を下ろして頭・首・背中を思い出す、の練習を思い出しました。

痛くて続けられないから止めていたのですが、今思うと、あの時の本番でも、全曲を止まらずに落ち着いて弾けてものすごく驚いたのでした。

あと、デビ先生が、「間違えずに演奏することは出来ないです」と断言してくださったのには、本当に感謝します。間違えることに対する根深い罪悪感が、
ずいぶん軽くなった気がします。

長文で失礼いたしました。
またレッスンでよろしくお願いします。

(アマチュアビオラ奏者、C.N.さん)

デビ先生は帰国されましたが、アレクサンダー・テクニークlittlesoundsでは、東京と神奈川で週3日づつ個人レッスンを行っています。ふだんは石井ゆりこが教えています。興味をお持ちの方はどなたでもお待ちしています。
レッスン・スケジュールとお申し込みはこちらです。
 1/7(日)東京1/28(日)札幌で
アレクサンダー・テクニーク・ワークショップを行います。お申し込み受付中!どなたもどうぞ!
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デビ・アダムス、アレクサンダー・テクニーク個人レッスン2017年12月

13日(水)「人前に立つときに ”楽さ” を見つける」17日(日)「アレクサンダー・テクニークをとおして”体験”を深める」に続いて、

デビ・アダムスのアレクサンダー・テクニーク個人レッスンをご案内します。

ピアニストの方でしたら、ピアニストでもあるデビさんに、アレクサンダー・テクニークをピアノ演奏にどう応用したらいいか、実際にピアノで曲を弾いて見てもらうのもよし(会場にはアップライトピアノがあります)。

それ以外の演奏家の方でしたら、楽器演奏や歌や、パフォーマンスへの活かし方を探究したり、呼吸について探究するのもよし。

参考・デビ・アダムスによる、音楽家のための12のおきて

あるいはどなたでも、寝た姿勢で休むワーク(テーブルワーク)、日常動作やいろいろな動きをとおしたワークで、自分のなかにある繊細さやダイナミックさへの可能性に触れるのもよし、
子育てや、人間関係の困難へのアレクサンダー・テクニークの活かし方について聞いてみるのもよいと思います。

アレクサンダー・テクニーク教師や教師見習いの方は、教えることについて、複数枠をとってペアやミニグループでやってみるのもよいでしょう。

1回45分13500円(通訳代込み)
・ワークショップご参加の方と、2枠以上申し込まれる方は2回目以降1回11500円(通訳代込み)
・事前振込をお願いします。お申し込み後、振込先をお知らせします。

12/12(火)藤沢・鵠沼スタジオ 14:30、15:15, 16:00
12/18(月)文京教室 15:30、16:15、17:00、18:30、19:15
12/20(水)文京教室 15:30、16:15、17:00、18:30、19:15

12/23(土・祝)は教師向けワークショップをやることになりました。

下にあるお申し込みフォームからお申し込みください。

講師紹介 デビ・アダムス(Deborah Fishbein Adams)

ATI(アレクサンダー・テクニーク・インターナショナル)公認アレクサンダー・テクニーク教師、クラシックピアニスト。
ボストン音楽院にて、音楽家とダンサーにアレクサンダー・テクニークを教えている。個人としてもアレクサンダーテクニークとピアノの指導を行う。2013年より音楽院内でアレクサンダー・テクニークの教師養成コースを運営しており、それに先立ちトミー・トンプソンの教師養成コースで長年アシスタントを務めている。ATIの倫理諮問委員会の共同委員長。

近年、ベッツィー・ポラティンから「アクターズ・シークレット・トレーニング」を受けており、そのなかでアレクサンダー・テクニーク、カール・スタウの呼吸のワーク、ピーター・リヴァインのトラウマのワークを探求している。今は成人した2人の娘がいる。

 

 

アレクサンダー・テクニークlittlesoundsでは、この期間以外には石井ゆりこが、東京と神奈川で個人レッスンを行っています。
レッスン・スケジュールとお申し込みはこちらです。

 

お申し込みフォーム

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12/13(水)デビ・アダムス・ワークショップ「人前に立つときに ”楽さ” を見つける」

デビ・アダムス、もうすぐ4度目の来日です。
毎回、ファンが増え続けているデビさんのワークです。
興味がある方はぜひご一緒しましょう。
どなたでも参加可能です。

この日のワークショップはは音楽スタジオで行うので、楽器の演奏に役立てたい方も歓迎です。会場にはピアノもあります。

音楽に携わる人、役者さん、人前で話すことのある人、
それぞれが自分の最善を出しやすくなるように

このワークショップでは、そのためのツールをとりあげます。

自分と人前に立つこととの関わりをみていき、関係性の自覚がパフォーマンスの体験を高めることにつながるということを、一緒に探求していきましょう。

その過程で、呼吸とアテンショナル・アウェアネス(自分が何に注意を向けているかの気づき)についても探っていきます。

曲や作品の一部や、話すこと、などなど、人前でシェアしたいものをお持ち寄りください。

●講師紹介 デビ・アダムス(Deborah Fishbein Adams)

ATI(アレクサンダー・テクニーク・インターナショナル)公認アレクサンダー・テクニーク教師、クラシックピアニスト。
ボストン音楽院にて、音楽家とダンサーにアレクサンダー・テクニークを教えている。個人としてもアレクサンダーテクニークとピアノの指導を行う。2012年より音楽院内でアレクサンダー・テクニークの教師養成コースを運営しており、それに先立ちトミー・トンプソンの教師養成コースで長年アシスタントを務めている。ATIの倫理諮問委員会の共同委員長。

最近は、ベッツィー・ポラティンから「アクターズ・シークレット・トレーニング」を受けており、そのなかでアレクサンダー・テクニーク、カール・スタウの呼吸のワーク、ピーター・リヴァインのトラウマのワークを探求している。

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日 時 : 12月13日(水)13:00~17:45
会 場 : 都内(お申し込み後、お知らせします)。
参加費 : 17000円(事前振込。お申し込み後、振込先をお知らせします。)
定 員 : 8名
講 師 : Debi Adams (通訳つき)
お申し込み、お問い合わせ:一番下のお申し込みフォームに入力ください。または
yuriko@littlesounds.com までメールで以下をお知らせください。
1) お名前 2) お電話番号
3) このワークショップをどちらで知りましたか?
4) その他、参加するにあたって、特に興味があることなどをお知らせください。)
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このワークショップ以外に、2017年12月11日~23日の間にデビ・アダムスの個人レッスンとワークショップを企画しています。詳細はこちらへ。

アレクサンダー・テクニークlittlesoundsでは、この期間以外には石井ゆりこが、東京と神奈川で個人レッスンを行っています。
レッスン・スケジュールとお申し込みはこちらです。


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【参加するにあたって、特に興味があることなど、ご自由にご記入ください。】

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オーケストラの共演者同士のアレクサンダー・テクニーク・レッスン

先日、オーケストラでビオラを弾いている3人の方がいらして、ミニグループレッスンをしました。

終わって、おひとりの方が、次のように伝えてくださいました。

「私にとっては夢のような時間がありました。
ずっと3人で弾いてきたのですが、いつもとは全く違いました。
誰が誰に合わせるというのではなく、
自然につながりがある、不思議な感じでした。

眼だけ、耳だけ、音だけ、ではなく、
3人だけでもなくて、
その時には空間全体を感じていたような気がします。」

私が、常日頃から大事なことだなあと思っていることを、
当日その場では言ったわけではないのに、
実際に体験して、感じとってくださったようで、うれしく思いました。

当日やったのは、
まずは体のレベルで、意識の向け方を変えてみるということによって、
自分の体を体験する感覚が変わるということ。

自分で体を動かしたり、私が体に触れることで、
いつもと違う意識の向け方が起こると、

・体の中心軸と、指先の関係が実感できる
・重力からサポートされていることが体験できる
・腕の根元から指先まで、長く使えて自由に動かせる

……というようなことからはじめ、
それから、いつも通り演奏してもらいました。

それで、演奏に入るときの癖に気づき、
癖とは違う選択肢を選べること、
を、体験していただきました。

といっても、
当日は、そういう説明を、あまり言葉ではしなかったので、
何が起こっているのか、ご本人たちは、もしかしたらわからなかったかもしれません。

言葉を言いすぎると、生徒さんが体験を離れて頭で理解しようとがんばってしまう場合もあって、
それは避けたいなあ、と思うのと、
私自身、レッスン中は直観的にやっていたりするので、
言葉が足りなくなってしまうことが、あるかもしれません。

でも、演奏していたそのときを、いつになく楽しんだ。

それは、大事な体験で、
今後、かならず生きてくる体験だと思います。

そういう体験を積み重ねることで、自分への理解が深まってきます。

楽器を演奏するときに、
手だけに意識がいっていたり、
譜面の音符を追うことばかりに意識がいってしまうと、
自分がやることに追われてしまって、
合わせることがむずかしくなってしまうことがある。
そういうときに、腰や背中を意識に含めると、
自分の中心とつながりながら、指や腕を動かして楽器を弾くことも、楽譜を見ることも、
しやすくなるようです。

自分全体を使って楽器を弾く
ということが、しやすくなるようです。

自分全体を使えるようになると、その場の空間全体ともつながりやすくなり、
リズムが合い、音が合ってくるようです。

アレクサンダー・テクニークlittlesoundsでは、東京と神奈川で個人レッスンを、それぞれ週に3日づつ行っています。
レッスン・スケジュールとお申し込みはこちらです。ミニグループレッスンも可能です。

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ギタリストの方とのアレクサンダー・テクニーク・レッスン

私は個人的にギターという楽器がとても好きなので、ギタリストの方とのレッスンがとても好きです。クラシック、ポップス、ジャズ、ボサノヴァ、ハワイアン、アイリッシュetc. さまざまな民俗音楽etc. いろいろな奏法のギターを弾く方が来られ、ギターってほんとに多彩な表現ができる楽器だなあと思います。

ギタリスト
illstrated by Pantaya

しかしギターを弾いていて、指や腕を痛めてしまったり、腱鞘炎になったり、首や肩の痛みや、腰痛に悩まされる人も少なくないようです。「職業病みたいなもんでしょうね」と言われることもありますが、痛みが避けられないものと考えてしまうのは、あまりにもったいないと私は思います。長く、できれば一生かけて演奏を楽しみたい、と多くのミュージシャンが思っているはず。痛みからは解放されたいですよね。
ギターを弾き続けながら、痛みから解放されることは可能だと、いろいろなギタリストとレッスンしてきて私は確信しています。

そのためには必ずしも、弾き方、奏法、スタイルを変えなくてもよいかもしれない。同じスタイルのまま、見た目では違いがわからなくても、弾くときの体の使い方の質が変わることは可能で、それによって、同じことを弾くのであっても、楽さ、伸びやかさ、自由さ、力強さが生まれてきます。

そしてギターの音色により深みが増したり、音色がよりクリアになったりして思うような表現ができるようになる。またリズムがよくなる、というようなことが起こるのです。

同時に、ギターを弾いているとき以外の日常生活にも、楽さやしなやかさが増してきたりします。

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初心者の方で、まだ自分の弾き方のスタイルが定まっていないときにアレクサンダー・テクニークを学びつつ、ギターを学ぶのもお勧めです。上達が速くなるし、無理して弾く癖がついてしまわないためにもなります。

—-

ギタリストの人のためのアレクサンダー・テクニーク・レッスンは、楽器を持たないところのレッスンと、楽器を持ってのレッスンを組み合わせてやります。
たとえば「座る」「楽器をかまえる」などを重点的にやることもあれば、曲を演奏しているときにどうしているかを観るのを重点的にやることもあります。それらを両方やることが多いです。

レッスンはオーダーメイド。その人の演奏経験や演奏スタイル、めざすところ、どこで悩んでいるか、弾いているとき以外どうしているか、などによって違ってきます。

参考までに例として、私がギタリストの方のアレクサンダー・テクニーク・レッスンのなかでよく言っていることのうち、言葉だけでもある程度参考になるかなと思うことを、メモ的に書いてみます。

座るという動きを見直す
・座るというのは、固定した姿勢だと考えられることが多いが、「座るまでの動き」によって、座る姿勢が心地よいか、安定しているかどうか、などが決まってくる。
「座ってしばらく弾いているうちにだんだん姿勢がくずれてきてしまう」という人には特に大事。
・立っているところから座る動きを見直す~胴体を縮めないで座る。上向き方向を思いながら座る。

セミスパイン~建設的な休息
・床やテーブルの上で仰向けになる、「セミスパイン」といわれる姿勢で休む。背中全体を重力にサポートされることで、背中全体の長さ、広さ、厚み、を思い出す。それによって腕が背中からつながっていること、サポートされていることがわかりやすくなる。
・アレクサンダー・テクニークで背中というときは、骨盤も含める。骨盤の底まで含める。(骨盤がとても重要)。

Illustrated by Pantaya  肩甲骨から指先までの長さをイメージしてみましょう。
Illustrated by Pantaya 肩甲骨から指先までの長さをイメージしてみましょう

腕は背中からつながっている.
・肩から先だけが腕だと思っていると、腕を実際より短くしか使えない。それが肩こりなどの原因となったり、弾く姿勢が前のめりになりすぎてしまう原因となることがある。
・肩甲骨から指先までの長さをイメージしてみる。

胴体の側面を思い出す。

指先で弦を押さえる感触、弦を動かす感触を再確認。
指先の感触が体全体~頭まで伝わる←→頭から指先に。
弾きたい音に必要十分な動きを体全体で表現しようとしている。それが自然な体のしくみ。それをじゃまするのをやめるだけ。

弦を、指先だけで押さえない。
・直接的には弦を押さえるのはもちろん指先ですが、指先で弦を押さえるために、ひじから全体を使う意識をもつ。
・体に近いポジション(ハイポジション)を押さえるときも、腕を長いまま使う。腕を縮める必要はない。長い腕のまま、ひじの角度によって、手を近づけることができる。
・押さえるポジションを覚えるとき、指や手の形だけでなく、ひじの角度も含めて覚えるようなつもりで。ひじの自由さが大事。

illustrated by Pantaya
illustrated by Pantaya ギターから離れて、ひじを曲げて、前、後ろに動かしてみましょう。当り前の動きのようで、こういう動きができることを忘れていたかもしれません。

バレーコード(セーハ)を弾くとき
・人差指で全部の弦を押さえるので、人差し指をまずネックに持っていきがちだが、そこをあえて、小指のほうから手を動かしてポジションを見つける。(小指で弦を押さえない場合であっても)
・バレーコード(セーハ)のときも、ひじの角度が大事。ひじを前に出したり、後ろに下げたりすることで、押さえやすい位置が見つかる。

右手~カッティング/ストロークするとき
・下向きにストロークするときも、体の中心では上向きの流れが起こっている。それが腕を振る動きにつながる。体の中心から手の先へ。

自分を固めるのをやめる。
必要があればポジションを固定することはかまわないが、そのために体の筋肉や関節は固めない。いつでも動ける状態で、静止している

楽器におおいかぶさらない。自分が中心にいて、自分の中心から楽器を迎えに行く。

自分の手をみるとき、共演者を見るとき~眼球で見ているのではなく、脳で見ている。
・これは抽象的に聞こえるかもしれませんが、からだに即した話です。
・自分の手を見たりするときに「頭の後ろ(=脳)で見ている」ことを思い出すことで、前のめりになりすぎなくなる。
・眼球は光の情報をとおすだけで、その情報は視神経から脳まで運ばれている。頭の後ろにある脳の視覚野で人はものを見ている。
・共演者を見たり、楽譜を見たりするときも同じ。

楽器(楽器ケース)の運び方を見直す。
・「演奏するときより楽器を運ぶときのほうが、実は疲れやすく、ストレスなんです」と伝えてくれたギタリストの方がいました。それで、肩にケースを背負ったり、手に持ったり、持ちあげたりするときの負担のない「自分の使い方」を、アレクサンダー・テクニークの原理を使って一緒に見直したら、その後、楽器を運ぶことによる疲れがとても減ったそうです。

弾こうとしている曲を、自分はどう表現したいか?
その意図を明確化して、体がそれを表現。
自分がイメージしている音を出すためには、動きさえ改善できればいいわけではありません。ただ、動きが自由になると、生き生きとした、実感をともなったイメージを持ちやすくなります。(一方で逆に、いつのまにか意識が一点集中になりすぎていることによって、体の動きを制限してしまっていることもあります)。

そこであらためて、弾く前に、自分が表現しようとしている情景や感情、色合い、時間の流れなどを思い浮かべてみましょう、視覚化、映像化してみましょう。それでさらに動作を意識する。その相互作用があることで、さらに自由に表現されてくるものがあります。

首を自由に。
上記に書いたようなことを意識しながらも、「首を自由に」ということに、ちょくちょく戻ることが大切です。
首が自由であることが、体全体を生き生き使うための大事な要素です。

レッスンのなかで、その人その人の状況に応じて、上記に書いたようなことを、実際に体験しながら探ったり確認したりして、それを、その人のギター演奏や、生活に生かしていきます。
(その人その人によって、必要な情報は違います。要らない情報は忘れてOKです)。
からだに対しての意識の向け方が変わることによって、今まで体験したことないような感覚が生じることもよくあります。そして結果としてパフォーマンスにも大きな違いが生じたりします。

自分の場合はどうかな、と、興味のある方はぜひ体験してみてください。


アレクサンダー・テクニークlittlesoundsでは、東京と神奈川で個人レッスンを、それぞれ週に3日づつ行っています。
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