ルシア・ウォーカー・インタビュー2003年5月8日 東京にて はじめに

 ルシア・ウォーカー(Lucia Walker)さんに私が最初ルシア・ウォーカーさんと。photo by Tomoko Ueharaに会ったのは、教師養成コースでトレーニングを受けていた最後の年、卒業する少し前の1999年の6月でした。そのとき彼女は始めて来日して、3週間、私たちのコースのゲストの教師として来られました。評判ではルシアは、ご両親もエリザベスとディックというアレクサンダー・テクニークの教師で、しかもそのご両親はF.M.アレクサンダーから直接習った先生のうちの数少ない生き残りということで、「なかなかすごい人らしい」という評判でした。

 会ってみたら、おどろくほど「ふつうの人」というか、等身大の人というか、生徒たちのなかに紛れてしまうほど、自分を特別に見せない人でした。しかし3週間ほぼ毎日会ううちに、彼女が教えるときとても明確な意図を持っていて、それを、その人にそのとき必要なだけ明確に伝えてくれるすばらしい先生だということがわかってきました。。そしてそれを、特別なものとして伝えるのではなく、ひとりひとりが使えるものとして教えてくれる先生でした。

 ルシアは、コンタクト・インプロビゼーションというダンスを踊り教えるダンサー/ダンス教師でもあります。彼女はその経験も生かして、瞬間瞬間に気づきをもつことと、動きの関係についての、実践的な教え方をしてくれます。

 最初に来日してから、ルシアがほぼ毎年来日してくれるようになったのはありがたいことです。今回、2003年の5月、ATA アレクサンダー・アソシエイツの招きで来日したとき、私の教室にも来ていただき、近くの大塚公園でインタビューもすることができました。インタビューは、通訳のヘルプを兼ねたほかの生徒二人と一緒に木のテーブルを囲みながら、なごやかな雰囲気で行われました。

・その1 の文字をクリックすると本文が読めます。

原文はこちら original in English here


・その1

「人はアレクサンダー・テクニークについて語るとき、よく『体をとおして全体に働きかけるでしょ』と言ったりするよね。でも私たちが学ぶなかでは『肝心なのは考えだ』とたたきこまれるのよね。さていったいアレクサンダーの入り口はどっちなのかしら?体なのかしら?それとも考えなのかしら?」

・その2

「私は私がやっている教え方が決してだた一つの教え方だとは思っていないし、一番いい教え方だとも思っていないの。それはただ、私がやっているやり方なの。」

・その3

「学び始めた頃、もし自分の癖を取り去ってしまったら、個性というものはなくなってしまうのではないかと、少し心配だったの。でも学ぶにつれわかったことは、よけいなものを取り去るにつれて、もっとはっきりと力強くその人が現われてくるということだった。」

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