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「レッスンで学んだことや気づいたことを、再現しようとしないほうがいい」。

箱根駒ケ岳より芦ノ湖を望む 2018年1月

アレクサンダー・テクニークのレッスンは、レッスンを受けている時間はとても楽になるけれど、自分で続けることは難しい、とおっしゃる方がいらっしゃいます。
長年の癖が無意識レベルにしみ込んでいて抜けないからと。

たしかに、長年つきあってきた癖を、「もう要らないな」と気づいたからと言って、すぐにそれを変えられる人は少ないと思います。それが繊細なレベルの体の癖の場合は特に。

長年の癖は、長年それをやってきたことで、自分を支えてきたものとも言えると思うんです。
今はそれが必要なくなっているかもしれないけれど、
長年やってきたことだから、すぐには手放せないのもあたりまえだと思います。

まず「気づく」ということ、
そこがポイントだし、それだけでも、まずは十分だと思います。

気づきさえすれば、実はもう変化しはじめているのです。

気づいた時点で、「いつもと同じようにまた力が入っている」
と、自分では思うかもしれないけれど、
力の入れる度合いは、気づかないうちに、すでに減ってきているはずです。

アレクサンダー・テクニークの実践は、
ほかの学習と少し違うところがあります。
それはなにかというと、

・レッスンで学んだことや気づいたことを、再現しようとしないほうがいい。
・「やらなくちゃ」と思いすぎないほうがいい。

という点があるところです。

よいことであっても、再現しようとしたり、「やらなくちゃ」と思いすぎると、
かえって体を固めてしまうことになってしまうからです。

わかりやすい例で言うと(よくある例なのですが)、
猫背を直そうとがんばるあまり、つねに体を反らせすぎているような癖がついてしまう…。
体の緊張感は抜けないままでいる…。
それで肩こりや首こりなどが起こっている…というような方がよくいらっしゃいます。

今までと逆方向に頑張っているだけで、今までと同じような「がんばり癖」を再現してしまっているのです。

そうなるよりは、「気づくだけ」にとどめておいたほうが、実はずっと有効なのです。

いままでと何も変わっていないような気がするかもしれないけれど、
水面下では少しづつ変化が起こっています。
そのくらいのほうが、内側から変化が起こりはじめているのを、
止めないためにはよいのです。

そうするとむしろ、前回「よい」と思ったこと以上のことが、今回は現れてきたりします。
そう、もっとよりよくなっていく可能性は、続いている。

「しっかり学ばなければ」と力むことをやめたほうが、むしろ、その可能性に開いていける場合もあるのです。

アレクサンダー・テクニークのレッスン、できれば続けて受けられるのがよいですよ、とお勧めすることが多いのですが、
その理由は、
そのほうが楽に、そして深く学べるからということ、
はじめから自分で頑張りすぎなくてすむように、
余分な苦労やまわり道をしなくていいように、ということがあります。

人は、(緊張しやすいタイプの人は特に)、ついやりすぎてしまうものです。

・やりすぎるのではなく、自分全体を統合する。
・それでいろいろなものごとに対処できることを知る。
・そして自分自身の体と心が今何をしているかということを見るときの解像度を上げていく。

レッスンはそういうことのサポートになります。

レッスンを続ける場合、レッスン時間の半分以上は、前回と同じことを繰り返すことが多いのです。でも、
同じことをやっても、生徒さんの受け取り方が変わってきて、
同じことだとは感じられない、ということが多いのです。
体の感受性がだんだん敏感になってきて、変化しやすくなってくるので。

自分が意識的にも、無意識的にもやっていることに気づいたら、
「いい」「悪い」とすぐに決めつけず、
シンプルに、興味をもってみること。
「おもしろいな」「不思議だな」と。
体の声に、より繊細に耳を傾けるようなつもりになってみてください。
そういうふうな、体や自分自身との接し方を続けていくうちに、知らないうちに変化が起こってきているのに、後になって気付くと思います。

ときどき、「こんなふうに、しなくていいはずのことをやり続けている私はバカなのか?私の体はバカなのか?」なんて、自分に対して言いたくなる人もいらっしゃるようなのですが、いやいや、バカなんかではありません。

長年そういうふうにして働いてきてくれた体を労ってあげてください。そろそろ、変化していく準備ができつつあるころだと思います。

アレクサンダー・テクニークlittlesoundsでは、東京と神奈川で週3日づつ個人レッスンを行っています。
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