アレクサンダー・テクニーク レッスンの進め方

石井ゆりこのアレクサンダー・テクニークのレッスンは、以下のようなワークを組み合わせて進めます。いくつかのやり方を組み合わせることで、より学びやすくなると思います。具体的なことは、その人のご希望や目的や状況に応じて、相談しながら一緒にレッスンをつくっていきたいと思います。

●寝た姿勢でのワーク (テーブルワーク)

仰向けに寝た姿勢で休み、背骨のもともとの長さ、体の広さ、長さ、奥行きを思い出します。日常の緊張やストレスによって縮めていたところが広がって解放されるのにゆだねます。教師は、手で体に触れたりゆっくり動かしたりして、休むことをサポートします。目覚めていながら、休んでいる、「建設的な休息」です。

そこから起き上がって立つと、今までと立ち方が変わっていることに気づくかもしれません。バランスの取り方を学び直すチャンスです。起き上がった後、歩く、座る、日常の動きなどで、ふだんの癖と違う動きをやりやすくなります。

寝た姿勢でのワークは、腰やひざ、股関節に問題がある場合などにも効果的です。

教師は、自分自身の使い方に意識的になって「何もしない手」で触れ、なるべく少ない力で動かすことで、生徒さんの、心身の注意力が目覚めることを助けています。

●立つ、座る、歩くなどのシンプルな動きを見てみる

立っているところから座る、座っているところから立つというような、体勢を変えようとするときの、自分の反応と動きを見てみます。
自分を固めながら、または縮めながら動いているでしょうか?もっと自由に動くことができるでしょうか?
動き出しの質が変わると、座った後の姿勢、立った後の姿勢も変わります。その姿勢になってから居心地が悪かったり、不安定だったりしても、姿勢を修正することはなかなか難しいですが、その姿勢になろうとする動きを見直すと、そのあとの、あり方が変わり、長く同じ姿勢でいることがしやすくなったり、あるいはそこから何かの動きに入ることもしやすくなるのです。

自分の動きを見直してみたいときには、動きに入るときに、「一瞬待ってみる」ことが、「固めないで動く」「縮めないで動く」ことの役に立ちます。教師の繊細な手のサポートによって、緊張しないで動くことが体験しやすくなります。

立つ、座る、歩くことにふだん問題を感じずに意識せずにやっている人も、そのような動きをあらためて見てみることで、ふだん意識しなかった自分の使い方の癖を見てみることができます。そして、いつもよりもっと楽だったり自由だったりする自分の可能性を発見するでしょう。それを、もっと複雑なことをやるときや、考えたりするときに応用できるようになるでしょう。

立つ、座る、歩くなどの動きのときに、頭~首~背骨をどう使っているか、そして、地面と空間と自分の関係性はどうか、を見てみることで、ほかのいろいろな動きや姿勢に応用することができます。
立つところから楽に膝と股関節を少し曲げた、”モンキー”(立つのと中腰のあいだ)も、いろいろなことに応用ができる姿勢です。


●日常生活の動き、デスクワーク、パソコンを使うときなどの姿勢や動き

階段の上り下り、鞄を持つ、おじぎ、正座をする、重いものを持つ、台所仕事、掃除、畑仕事・・・ など、あらゆる動きにアレクサンダー・テクニークを生かすことができます。

デスクワークではたとえば、座るときの頭と背骨、骨盤の関係、胴体と腕のつながり、見ることについてなど、部分←→全体をみていきます。長い時間机に向かって仕事をしても疲れにくく、集中が持続するようなあり方が見つかるかもしれません。

見る、読む、話を聞く、考える、などにもアレクサンダー・テクニークを応用できます。見る、聴く、読む、考えるなど、一見、動きがないようなアクティビティのなかにも動きがあります。自分の「あり方」の質と、はたらきかけたり、受け取ったりする対象との関係を見てみましょう。

●楽器の演奏、歌う、話す、声を出すこと、ダンス、スポーツやパフォーマンスのときの動き

☆ ミュージシャン/音楽家の方へのアレクサンダー・テクニーク・レッスンでは、立つ/座るなどのワーク、寝た姿勢でのワークなどのあと、楽器を構え、音を出し演奏していただきます。

☆ 演奏以前の状態が変わることで、楽器の音(声楽や歌なら、声の質)が変わることがよくあります。

また、「さあ、楽器を弾こう!(吹こう!)」と楽器を構えるときに、気づかず身構える癖がついている方も多いと思います。その時点のあり方が変わることでいろいろな面が変わります。それによってたとえばスムーズに大きな音、高い音、低い音が出せるようになったり、楽に速いフレーズが演奏できるようになったりします。そして、より余裕を持って音楽のことを考えながら演奏できるようになり、もっと表現力豊かに、そして楽しく演奏できるようになるでしょう。

「ふだんの練習が楽しくなった」「少ない時間で効率よく練習できるようになった」、そして、 「ステージでも不必要な緊張をしなくなった」などというコメントも、よくいただきます。

以下のようなことも見てみます。

  • 座るとき、立つときの重心バランス
  • 脱力と、力の使い方
  • 指先の使い方や腕の動き
  • 効率的に力を使うにはどうしたらいいか?
  • 楽器の構え方
  • 見ること(楽譜、指揮者、共演者、お客さん)
  • 難しい曲を演奏するとき
  • ステージ上での緊張とのつき合い方

☆ 楽器、楽譜、道具などを、よろしければご持参ください。(文京教室、藤沢スタジオともにピアノが あります。藤沢スタジオには練習用ドラムがあります。)

☆ ダンサースポーツ選手などの方は、部屋でできる範囲での動きを、動きの 軸、動き出しについて、腕の使い方、腰の使い方などを中心に、見ていきます。
スタジオや練習場への出張も応相談です。

⇒ 音楽家の、アレクサンダー・テクニーク体験談

 

●体の地図(ボディ・マッピング)とアレクサンダー・テクニーク

 私たちの体は、とてもうまくできています。どうなっているか、どう動かすかについて知らなくても動かせるほど精巧にデザインされています。

 しかし、時に、自分の体を実際より狭く認識していたり、自分で動けるところを動かないようにしてしまっていることがあります。そのような、自分の体についての無意識の思い込みに気づき、より現実に近く「体の地図を書きなおす」ことが、役に立つことがあります。

 「体のどこかが痛いのは歳だからしょうがない」「できないのは能力がないからしかたがない」「体が小さいから」「筋力がないから」などと思っていたことが、思い込みにすぎなかったと気づく人もいるでしょう。

 体の地図を見てみるときにアレクサンダー・テクニーク教師として強調したいのは、

・体を静止したものとして捉えるのではなく、どのように動くか、動くものとして捉えること
・体の部分だけに焦点をあてて終わるのではなく、部分と部分のつながり、全体を捉えること

の二つです。この視点があることで、物理面としての体だけでない、有機体としての自分自身をとらえやすくなり、実際のその人の活動や、あり方に生かしやすくなります。

自分の体の動きのダイナミックさと精巧さを再確認し、日常生活や、楽器の演奏や、仕事しているときや休んでいるとき、日常のいろいろな面に活かしてみましょう。それは心理面・感情面を解放することにもつながります。

●呼吸のしかた、発声について

 F.M.アレクサンダーは教え始めたころ、「ブリージング・マン(breathing man/呼吸の人)」と呼ばれていました。アレクサンダーのレッスンを受けて呼吸に関わるトラブルを解消できた人がたくさんいたのです。
また、F.M.アレクサンダーがアレクサンダー・テクニークをはじめたそもそものきっかけが、彼自身の発声にまつわる問題でした。

 アレクサンダー・テクニークは呼吸法でも、発声法でもありませんが、呼吸や発声は、体全体で行うものなので、体全体の使い方が変わることで、より自然な呼吸、自然な発声ができるようになります。(私自身も、アレクサンダー・テクニークを学び始めて声を出すことが楽になったことを実感したひとりです)。

直接、呼吸のことや発声のことをやらなくても、アレクサンダー・テクニークのレッスンを続けているうちに、いつのまにか呼吸や発声が楽になったと気づく人は多いですが、アレクサンダーの「ささやくアー」のエクササイズをやったり、声を出してみることもレッスンでやることができます。

●継続的なレッスンがお勧めな理由

レッスンで体験した変化を自分のものにしたいと思われたら、継続的にレッスンを受けることがお勧めです。 最初のレッスンで効果を実感したという人でも、それを日常レベルで一人でできるようになるためには、「やりすぎない」こと (つい、やりすぎてしまうという方が多いのです)を含め、ある程度繰り返して学ぶことがお勧めです。また、一回のレッスンではわからないという方でも、何回かやるうちにだんだん納得できてきたという方は多くいます。

日常に戻って、再びレッスンに来て、、、の繰り返しのなかで、アレクサンダー・テクニークの考え方を体験的に理解し、同時に、自分の癖や傾向を理解し、だんだんとアレクサンダー・テクニークを自分のものとして応用できるようになっていきます。そして、より繊細で深いレベルで変化し続けていきます。

レッスンでの新しい体験と、日常の繰り返しは、古い唄にあるような「3歩歩いて2歩下がる」ような歩みかもしれませんが、確実に、変化していきます。そして、日常生活の楽さ、痛みの軽減、緊張からの解放、パフォーマンスや技術の向上などという結果につながっていきます。

続けるペースは、その人の続けやすいペースがよいと思います。たとえば、はじめは週1回、または2週に1回、月に1回などなど、それぞれのご都合に合わせて。
遠方の方などは、数日間、毎日や一日おきのレッスンも可能です。

まずは一度体験してみてください。
そしてその体験が好ましいと感じられたら、ご自分のペースで続けることで、このワークのよさが、よりわかっていただけると思います。

アレクサンダー・テクニーク・レッスンのお申し込み

東京都心(文京区)と湘南・藤沢でのアレクサンダー・テクニーク(アレクサンダー・テクニック)のレッスン。