アレクサンダー・テクニークと「性格」

アレクサンダー・テクニークのレッスンを続けている生徒さんに、「『性格だからしょうがない』とあきらめていたことが変わってきた」と言われることがあります。

たとえば、「落ち着かない性格」とか、「堅苦しい性格」とか、、。

アレクサンダー・テクニークをやっていると、変わらないものだと思っていたことが、変わってくることがよくあります。それは身体的な面でもあるし、「性格」と言われるようなメンタルな面でもあります。(体と心は、つながっているので)。

もちろん本質的なその人らしさは変わりません。

むしろ、その人らしさを見えにくくさせていたようなベールを取り除く手助けになります。

そうすると、自分でも忘れていたような自分らしさが、出てきたりすることもあります。

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「性格」と言われるようなことも、自分が何らかの状況に対して、反応する癖、である場合もあります。

アレクサンダー・テクニークはまさに、自分の「反応の癖」を見直すこと、
「いつも、同じように(機械的に)反応してしまう」という癖、から、間を置く、
ということをやります。

それは、体の使い方というレベルでもあるかもしれないし、精神的な反応のしかたでもあるかもしれず、それらは、ひとつながりなのです。

体の使い方であっても、心の癖であっても、
「今までずっとこうだったから、変わらない」というふうに見てしまいがちですが、実はかならずしもそうではないかもしれません。
人間は、つねに微調整して、少しづつ変わりつづけるのが自然な在り方なのです。

少しづつ動きつづける連続性が、長い目で見ると、本質的な変わらなさになる。

でも、よくあるのが、過去には理にかなっていたかもしれないけれど、自分の今には、そぐわないような反応のしかたを、それでも無意識に、機械的にやり続けていて、
それを、「性格だから、変えるのは難しいよね」と、思っているのかもしれない。

実は変えるのが難しいわけではなくて、むしろ変えないでいることのほうに、無意識で努力していることもあるかもしれません。

変わることのほうには、実はあまり努力は必要ないのかもしれません。

まずは自分が、どういう状況で、どんなふうに反応しているのか、ということを、ニュートラルに、そして具体的に観察してみるところからはじめてみましょう。

そのときに、「だから自分はだめだ。いつもこうだから! こんなんじゃだめだ!」
なんて、ダメ出しをする必要はありません。

ダメ出ししたくなっている、自分のなかの批判者には、ちょっと待っていてもらって、

「ああ、自分はこういう状況で、こんなふうに反応してきたんだな。へえ、おもしろいな」
と、そんな感じで、自分の反応を見てあげましょう。

そんなふうに自分の反応を振り返るときに、もし、体のどこかを固めているのに気付いたら、それを、やめて、体全体が、地面にサポートされながら、ありのままの大きさでそこにあるのを思い出しつつ、自分を振り返ってみましょう。

これだけのことでも、けっこうパワフルに作用します。

体への気づきと、心の動きを両方、行ったり来たりしながらでいいので、見てみるとよいです。

自然に変化が起こってきやすくなったり、あるいは逆に、今までのやり方も、悪くないな、と、あらためて実感するということもあるかも?

自分を信頼することにつながっていくワークになると思います。

レッスンでは、体を入口として気づきを深めていく場合が多いですが、それが「その人全体」の気づきにつながっていきます。

 

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